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大阪から関東に左遷されたあほんだらの自転車旅行記

美しい台湾(環島)一周サイクリング 3日目 台中~日月潭

 
台湾のWi-fiyoutube観ると広告も台湾仕様になるんだな。
 
 
3/3 台中
 
というわけで3日目、昨日の座り方が悪かったのか睾丸の裏がヒリヒリする。
よくロードバイクはケツが痛くなると言われているが、正確には睾丸の裏だと私はずっと主張してきた。
論争の火の粉はどこにも散ることはなく、私の中で収束していった。
 
何はともあれ本日は中々に気合を入れる必要があるだろう。
現在いる台中から東へ。台湾内部は激しい山岳地帯になっており、本日は163を使いそこに食い込む。
 

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そして標高700m以上の標高に位置する日月潭へ。
ガイドブックにはあまり大きく取り上げられることのない場所だが、皮肉なことにそれ故私の期待は大きい。
 

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台中市街を鰻のように這い、山岳地帯の懐へと向かう。
原付に混じりながら軽快に飛ばす
朝日と山岳が手をこまねいているようだ。
 
走るにつれスポーツバイクの数がポツポツと増えてくる、それが決戦のはじまりが近付きつつあることを私に感じさせる。
 

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ここが最後の給水、補給ポイントのコンビニである。
 多くのバイカーで賑わい、トイレは3人待ちであった。
序盤は穏やかな登りと下りを繰り返す。
周りの景色としてはあまり花は無いが、走っていて気持ち良い感覚だ。
 

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日月潭まで49km、だがこれが全て登りでは無いので安心して良い。
坂のひとまずのゴールは赤崁頂という場所になる。
名前でググると、ハングル文字での解説記事が大量に羅列された。台中の人間にとってはお馴染みの坂バカスポットだそうだ。
日本語のページはこれが初か…?
 
道路には警察犬並みに図体をデカくした野犬がちらほら。
日向ぼっこに興じて気持ちよさそうに瞼を閉じてぐってりとしている。
車はそこまで通らないが、ミンチにされないかは少し心配な部分ではある。
 

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この辺りからスイッチが入ったように勾配はキツくなる
10後半〜20はあるだろう。たまらずローギアに落とす。
かと思えば少しくだりがあったりと、よくわからない道だ。
 

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赤崁頂まで残り5kmにもなると下りも緩勾配もなくひたすら20〜20後半の勾配が続く
重い荷物にフラットペダルという負荷を抱えつつも絶対に脚をつかないよう、グチャグチャなフォームで食らいつく。
台湾の坂バカ強者はスイスイまでとはいかないが、安定したペダリングで私をゆっくりと抜かしていった。
残り1キロ、激坂のなかでオアシスのように挟まれるわずかな緩坂(10後半)サドルの上で脚を休めながら自分のペースで登る。
 

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頭を右に向けると山々が下に見え、その狭間から小さく台中が映った。
もうかなり登ってきたのだろうが、八幡平や天狗高原ほどでも無いなと薄々感じつつあった。
 

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そして遠目から、サイクリストや車がワイワイとたむろする姿が映った。
わたしにはそれがゴールテープに思えそ全力漕ぎをした。
 

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赤崁頂完走である。
20キロのバックパックを下ろし片膝をつきフレームに頭を預ける。
ボトルを空けて縁に口をつけお茶をグビグビと胃に入れた。
 

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達成感補正も込みで見晴らしは良く、休憩も兼ねてファインダーを覗きシャッタをリズムよく切っていく。
すると台湾ライダーがゾロゾロと…何やら「撮ってあげようか?」と言ってくれているようだ。彼らの他人への誇りの高さはこの赤崁頂よりも高い。
 
 

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凄く上手に撮ってくれた。
ツールドフランス優勝のボルテージ。
 
喉に乾きを覚えてボトルを開けると残り1割も残っていなかった。見た限りコンビニも無さそうであるが…なんて考えていると背後から気配を感じた。
 
 

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自撮りしようというニュアンスだったので応じる。ついでに私も。
 
グッドラックの声援を受け日月潭へ向け脚を動かす。ここからは緩やかな傾斜がしばらく続く。
 

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ボトルが空になり喉渇いたーと呟いた矢先に個人経営店が!
エナジードリンクと水を買い一命をとりとめる。
 

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先ほどまで晴れていた筈だが少し雲行きは怪しくなりつつあった。
グワァと一気に下ったのち、また上りが始まる。しかし、アウターで行ける範囲だ。
 

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しかし天は私に味方しなかったようだ。
雨粒は勢いを増しとどまることを知らなかった。
「これは止まないな」と思い、しばらく近くにあったお家の屋根を借りて雨宿りしていると、背後にブゥンと車が停まった。
中の住人は恐る恐るという感じで車から出てき、早口でまくし立てた。
私は中国語喋れないちょっと雨宿りさせて欲しいとの節を英語で伝えると、なんと快諾し椅子に座っていいよとまで言ってくれた。
私は有り難さに外の雨のような涙を心の中で流した。
 

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雨は止む気配もなくいつまでも甘えているわけにもいかない。
濡れる覚悟を持ち飛び込んだ。濡れながら走るのは趣があり嫌いではない。
だが自転車が濡れることが何よりもフラストレーションであった
クロモリは錆びるからだ。
 
幸いなことに雨は弱まりつつあったが、ドミトリーに着いた頃には自転車もビショビショでチェーンルブも全て落ちていた。
当然楽しみにしていた日月潭の全貌を写真におさめることもできない。
 

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しかし今回の宿のオーナー2人が凄くいい方で自転車を拭く用のタオルをくれたり、英語で話に付き合ってくれたりなど本当にいい体験をさせていただいた。
代わりと言ってはなんだが日本に行く予定だというオーナーにオススメのスポット(広島)に関する知識の詰め込みに精を出した。
 

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ここでは行くのを忘れていたが日月潭のある魚郷地では紅茶が有名らしい。
後日台北の店で魚郷地の紅茶を啜ったが中々に舌を唸らせた。ご賞味あれ。
 

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今日はこれでおしまい。
 
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