ひとりぼっちの自転車日本縦断 Part6【大阪府守口市~香川県橘ノ丘総合運動キャンプ地】
しばらくぶりです。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げますと共に、私も少しでも遅れていればフェリーが出ず帰りが大幅に遅れるか永遠に帰らぬ人となるところでした。
まあ死んでもいいんですけどね。
さて2か月ほどの充電期間と自転車のマイナーチェンジを経て、日本縦断達成こと鹿児島県佐多岬へと赴きます。
コンセプトは前回同様
全力で苦しみ楽しむこと。
期限は決まっておりませんがタイムリミットが無いこともありません。これは後程説明。
今回ルートは四国を使います。
神戸からフェリーで高松→
四国をいいとこどりしつつ愛媛へ→
フェリーで大分別府へ→
内部をえぐり熊本阿蘇あたりの山を堪能→
宮崎に出て海岸線で走る→
鹿児島最南端へ→
フェリーで対岸の半島からの鹿児島市内へ→
臨港で熊本市へ→
熊本から佐賀へ、バルーンフェスタ(10月31~11月4日ここに間に合わせるのがリミット)
佐賀から福岡へ
終
もちもの
前回同様THE NOTH FACE teller45にありったけの荷物をパンパンに詰めて背負います。
まずは前回の反省を生かし、というより季節も季節なのでまずは冬用サイクルジャージ上下にネックウオーマーそして就寝用長ズボンジャージ2つとパーカー。アンダーウェア4着と靴下下着。
防寒には強いこだわりを見せます。
マットは前回大活躍のエアーマット。そしてソロテントと函館で買ったシュラフ(寝袋)夏用なのでそこはやや不安。そしてアメニティと電子機器。そしてNikonの一眼レフ、これが重い。
自転車関係(ルブ、レバー、チューブ、空気入れ、電池、輪行袋、六角レンチ)はサドルバックとツールボトルへ。
自転車スペック
Cineli Super corsa 滅茶苦茶渋いクロモリロード。
前回からの改変点としてはタイヤと後輪が変わっています。以前はMichelin pro4を履かせていたのですがすり減っていたので新しくコンチネンタルを履かせています。
後輪は修理していたレーゼロが返ってきました。
▲本日の旅路
大阪→神戸は語る程でもないので割愛させていただく。
2号線を西へ西へとひたすら漕ぐだけだ。
神戸、三宮を抜けるとフェリターミナルへの案内が出現。
うっかり見落としそうになった。
駐輪場へロードバイクを立てかけ発券所へ。
ジャンボフェリーの手続きを済ませる。
お値段は大体2000円ほど。
自転車に戻るとcinelliをみて大興奮した欧州方面のご夫婦が渋いスチールバイクを押しながら話しかけてくれた。
私の大卒最低限レベルの英語力でコミュニケーションを図るとどうやらスイスから来たようで、東京や京都などを比較的長い歳月をかけながら旅しているのだと。
成り行きでジャンボフェリー乗り入れの案内をするようフェリーターミナルのお姉さんにお願いされた。
そしてこの方々、スイスの方で自転車関係の仕事をされているそうだ。すごい。名刺までいただいてしまった。
フェリーの中は割と快適だったが、孤島を経由しながらだった故か5時間ほどの航海となった。
高松に到着した際には辺りは暗くなっていた。
香川ということでうどんが食べたかったが、
どうやらうどん屋さんの大半は昼ピークで夕方には閉店しているのが通常運転らしい。空いているうどん屋さんを探すのに戸惑った。
なんとか開いていたうどん屋を見つけ啜ったのち、本日の寝床を探す。
30kmほど南下するとキャンプ場があるそうだ。
時刻はすでに19時である。市街こそ街灯で明るいが南下するにつれ暗くなり、しまいには私のライトのみが頼りになってきた。
その状態で1つ山を越える。何度やっても日が落ちた後の山道は精神的に応える。
体力には余裕があったので無事橘ノ丘総合運動キャンプ場へ到着することが出来た。
無料で利用可能なのは嬉しい、だがバイパスに近いのはいただけない。なかなか眠ることが出来なかった。
▲本日の旅路
目が覚める。
朝は夜以上に寒い。
血行のせいか、単に気温が低いのか
テントを畳みソーセージパンにかぶりつきながら支度を済ませる。朝6時にキャンプ場を出発、32号線を南下していく。
本日の目標は租谷渓と桂浜を経由し高知南部のその辺で寝ることである。
四国のど真ん中をぶち抜くためエネルギー補給。
四国限定の激うま柑橘系エナジードリンク。
四国内部は想像どおりの魔境である。
突如始まる峠を上り終えると香川県の終焉へ。徳島が手招きしてくれる。
写真の通りまあまあ上らされる。標高413m。
朝ということもあり雲よりも高い場所にいた。
川沿いを走りながら租谷渓を目指す。
暫くは充実した路面環境で激しいアップダウンもなく景観を楽しみながら風を切れる。
四国はとにかく川がキレイ。
青とエメラルドの間色、ライムのようなさわやかな透明感のある色彩である。
高知の沈下橋も楽しみではないか。
32号道中、左にご覧のような祖谷口橋が現れる
コイツを渡ってやる。
渡ると案内板が
登りがはじまる。
写真を見てわかる通り、車にとっては辛辣な車幅となっている。
林道ということもあり、所々にまきびしのようにまかれているデカめの石に注意しつつ登りを進める。
入り始め10km程度は特に突起もなく、後続からやってくる自動車を先に行かせつつべ樽を踏んでいたが、租谷渓は山の奥地である。
徐々に傾斜は上がり、後半は勾配と狭い車幅による後続車の注意等いろいろと気を使いながらのヒルクライムとなった。正に魔境。
特に坂がキツイという訳ではないがたまに来る車とのすれ違い等に気を労した。
暫く登り丁度いい具合に疲れると展望台らしき場所に出る。
木造でできた見晴らしの良さげな展望台だがご覧の景観である。
私もかなりの景色を見てきたつもりだが、ここまで雄大な渓谷は四国でしか見たことがない。
租谷渓のシンボル的スポット
この写真を撮っている背後はすぐ道路なので注意。
自動販売機すらない道を上ってきたのでボトルは空であった。
かずら橋まで無いかなと薄々悟っていると宿泊施設が。
併設されていた自走販売機で一命をとりとめた。
渇きを覚えた際に流し込むスポドリは染みる。
このあたりから少し坂は楽になり、所々によい景観も望めるようになる。
しばらく行くとかずら橋への案内が出る。
ここから2kmは基本平地か下りであった。
かずら橋へ到着。
日本の名橋にも選ばれているこの橋。
入場料は500円くらい。
橋からの景観はぼちぼちだが、俯瞰で見ると非常に良い。
足元を流れる小川へも降り立つことは可能。
普段淀川に見慣れた私にとっては感動する程の透明感である。
あまりのんびりしていると予定地までに日が暮れる恐れもあるので足早に撤収。
天ぷらそばを平らげ32号への合流を図る。その手目には45を使うのが合理的な選択にはなるのだが・・。
待っているのはごっそりと脚のHPを削り取る激坂であった。
当然である、かずら橋は山地に囲まれた秘境であった。
そこからの脱却は峠との正面対峙を意味する。最軽量ギアでちまちまと標高を上げていく。道中自転車を押して歩く者の姿も。
このトンネルが見えたらゴール。お疲れさまでした。
32が目前にあるので合流し高知方面に自転車を走らせていく。
ここからはしばらく走りやすい道ではあったが、何せ45との死闘を終えたばかりではリハビリのようにノロノロと進むのがやっとであった。
今の体力を考えるとあまりにも遠い。
車線が変わり376へ、正直この時点で意識もうろうとしている。
桂浜へ向かうためにはさらにもう1踏ん張りする必要がある。
なんと最後の最後にさらにもう1つ坂を上らねば桂浜へはたどり着けないのだ。
既に200km近く走ってきた私にとってはダメ押しHRのような坂であり、桂浜到着度同時に膝からへたり込んだ。
しかし到着時間としては、日が落ちるスレスレという最もおいしい暮れ時に居合わすことが出来たのは喜ぶべき事態だろう。
坂本竜馬ゆかりの地をセンチメンタルな心持ちで歩きながらピントを合わせる。
砂と海の境界をぼんやりと曖昧な視界におさめ感傷に浸る。
まだ2日目だが今日だけでかなり疲れており、この先大丈夫だろうか、今日どこで寝ようかなど様々な邪念が渦巻きネガティブな思考に陥った。
暫く休憩した後、体にムチを打ち桂浜から10km離れた銭湯を目指し移動を開始。当然辺りは日が落ちライトと街灯頼りの道を行くこととなる。
坂を登った場所からの景色、車のライトオレンジに染まる太平洋とが見事な調和を起こし1つの作品として景観を作り上げている。
10km行くと銭湯へ、かなり長く感じたがここで身体に憩いをもたらす。この時点で夜9時。
宿泊場所が決まっていない以上、近くにあったラブホ宿泊も視野に入れつつgooglemapでキャンプ場、公園等を探していると、ここから7kmほどの場所に沖田公園という民間公園を発見。
ここでいいかと妥協し恐怖と寒さに震えながらもなんとか寝床の設営に成功。
本日はここまで。
次記事